埼玉県と群馬県は利根川を挟んで隣接しており、古くから教育、医療、福祉をはじめとする様々な生活圏をともに構成してきました。
両県の医師養成機関としては、埼玉医科大学と群馬大学とが担っており、特に両県の県境地域は、昔から群馬大学出身の医師による医療の提供が行われてきました。
埼玉県は、人口あたりの医師数や医師偏在指標が全国の中でも低く、医師不足は深刻です。特に、北部、利根、秩父医療圏では、患者の群馬県への流出も多く、この地域の医療需給に関する問題は、埼玉県のみならず群馬県の医療提供体制を考える上でも重要となっています。
このような背景を持つ両県の医育機関である埼玉医科大学と群馬大学は、令和4年度文部科学省ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業に選定され、埼玉県・群馬県、両県医師会、埼玉県立大学などの連携機関並びに、両県県境地域の13医療機関協力のもと 、健康と医療を支える未来医療人の育成を目指して取り組むこととなりました。
具体的には、現在のみならず将来を見据えて、地域を基軸として地域医療の現状を学ぶこと、将来地域医療の中で必要となるがん医療、難病医療、遺伝医療などに入学早期から触れること、地域の医療機関における体験実習を拡充すること、感染症医療、コモンディジーズの診療を含む総合診療に関する教育を推進することを目指し、両大学の学生が参加する利根川プログラムをはじめとした5つの教育プログラムを開発し、地域で必要な知識・技能・態度・価値観を共有する将来の地域医療に貢献できる医療人を養成し医師不足地域の医師の定着を図ります。
また高大連携にも取り組み、地域医療への志を持った医師を養成することを目指します。
この様に、埼玉医科大学と群馬大学は、埼玉県・群馬県の県境地域に焦点を当てた教育を実践し、地域への愛着と地域医療を担う資質・能力・マインドをもった医師の育成プロジェクトをすすめて参ります。
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